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法定財産制

法定財産制として、夫婦の財産を共有する共有制、各自が財産を所有する別産制などがあるが、日本では別産制を採用している。米国では州によって異なり、たとえばカリフォルニア州では共有制を採用している。

離婚

夫婦間の婚姻状態を解消することを、離婚という。

婚姻の成立

日本法(民法)は、婚姻の成立に法律上の手続を要求する法律婚主義を採用している(739条)。実質的要件として当事者の婚姻意思の合致及び婚姻障害事由の不存在が必要とされる。また、形式的要件として戸籍法に基づく届出が必要とされる。

婚姻意思の合致

婚姻には、まず実質的要件として婚姻意思の合致が必要である。日本国憲法第24条1項は「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」と規定する。「婚姻意思」とは何かという点については、婚姻という身分行為に必要な届出をなす意思であるとする形式的意思説もあるが、通説は婚姻届出を出す意思を有するとともに社会通念に従った生活共同体を創設しようとする意思をいうとしている(実質的意思説)。婚姻意思が存在しない場合(婚姻意思の欠缺)の婚姻は無効である(742条1号)。

婚姻障害事由の不存在

婚姻には民法に規定される婚姻障害事由(民法731条から737条)が存在しないことが必要である。婚姻障害事由のうち、民法731条から736条までの規定に違反した婚姻は不適法な婚姻として法定の手続に従って取り消しうる(744条)が、737条違反については誤って受理されるともはや取り消し得ない。

婚姻適齢(731条)

日本における婚姻適齢は男性は18歳以上、女性は16歳以上である。婚姻適齢に達しない場合は婚姻障害事由となり744条により取り消しうる(不適齢者の取消しについては745条に定めがある)。なお、婚姻適齢につき「民法の一部を改正する法律案要綱」(平成8年2月26日法制審議会総会決定)では男女ともに満18歳としており現在議論がなされていたが、2009年7月の法制審議会の部会は男女共に18歳に統一すべきとの最終答申が報告され、政府方針として改正する方向である。 婚姻適齢に達した未成年者は婚姻できるが、未成年者の婚姻には一方の親の同意が必要である。未成年者は婚姻により私法上において成年者として扱われる(753条)。通説によれば、この成年擬制の効果は年齢20歳に達する前に婚姻を解消した場合であっても失われないとされているので、初婚の解消後に再婚する場合には親の同意は必要とされない。 なお、未成年者の婚約については、未成年者(婚姻適正年齢外)であるからといって結婚をする約束(婚約)は無効にはならないという判例(大正8年6月11日大審院判決)もあるため、高校生同士が結婚の約束をしていたことが証明されるにいたった場合には法的効力をもつ婚約となることがありうる。

再婚禁止期間(733条)

女性は前婚の解消または取消しの日から6ヶ月を経過した後でなければ、再婚をすることができない(733条1項)。ただし、女性が前婚の解消または取消しの前から懐胎していた場合には、その出産の日から、この1項は適用されない(733条2項)。なお、再婚禁止期間につき「民法の一部を改正する法律案要綱」(平成8年2月26日法制審議会総会決定)では6ヶ月から100日に短縮すべきとしており現在議論がなされている。
近親者間の婚姻の禁止(734条) 直系姻族間の婚姻の禁止(735条) 養親子等の間の婚姻の禁止(736条) 未成年者の婚姻についての父母の同意(737条)
未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。父母の一方が同意しないとき、父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときは他の一方の同意だけで足りる。この同意がない場合には婚姻障害事由に該当することとなり婚姻届は受理されないが、婚姻障害事由のうち本条違反は取消原因として挙げられていないため(744条)、誤って受理されるともはや取り消し得ない。

戸籍法に基づく届出

婚姻には形式的要件として戸籍法に基づく届出(婚姻届)が必要である。婚姻の届出をしない場合(婚姻届出の欠缺(けんけつ))の婚姻は無効である(742条2号本文)。ただし、その届出が739条2項に定める方式を欠くだけであるときは、婚姻はそのためにその効力を妨げられない(742条2号ただし書)。

婚姻の方式(739条)

外国に在る日本人間の婚姻の方式(741条)

婚姻の無効

婚姻意思の欠缺や婚姻届出の欠缺は婚姻の無効原因であり、また、婚姻の無効原因はこの二つに限られる(742条)。

婚姻の取消し

民法731条から736条までの規定に違反した婚姻(744条)、また、詐欺または強迫による婚姻(747条)は法定の手続に従って取り消しうる。これらは取消しであるから取り消されるまでは当該婚姻は一応は有効とされる。また、婚姻の取消しの効力には遡及効はなく、将来に向かってのみ効力を生ずる(748条1項)。

婚姻取消事由及び取消権者(744条) 婚姻の取消しの効力(748条)

夫婦同氏の原則

夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する(750条)。なお、夫婦の氏につき「民法の一部を改正する法律案要綱」(平成8年2月26日法制審議会総会決定)では、夫婦は婚姻の際に定めるところに従い夫もしくは妻の氏を称しまたは各自の婚姻前の氏を称するものとし、夫婦が各自婚姻前の氏を称する旨の定めをするときは夫婦は婚姻の際に夫または妻の氏を子が称する氏として定めなければならないものとしており、夫婦別姓を導入すべきか否かやそれを導入することとした場合に子の氏をどのように決定すべきかについては現在議論がなされている。

同居・協力義務

夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない(752条)。

婚姻による成年擬制

未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなされる(753条)。ただし、成年擬制の効果は私法領域に限られる(公職選挙法・未成年者飲酒禁止法・未成年者喫煙禁止法などの公法領域には及ばない)。

夫婦契約取消権

夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。ただし、第三者の権利を害することはできない(754条)。夫婦関係が実質的に破綻している場合には形式的に婚姻関係にあっても夫婦契約取消権を行使することはできない(昭和42年2月2日最高裁判所判決)。なお、夫婦契約取消権につき「民法の一部を改正する法律案要綱」(平成8年2月26日法制審議会総会決定)では民法754条の規定は削除すべきとしており現在議論がなされている。

夫婦財産制

婚姻によって夫婦間に生じる財産関係、すなわち夫婦の財産の帰属・管理および生活費の負担などを規律する制度。民法756条以下により、婚姻届出前に契約によって定めることが認められている(契約財産制)。契約がない場合は法定財産制に従う(755条)。

契約財産制

契約財産制とは夫婦財産契約に基づく財産関係である。夫婦財産契約とは夫婦が婚姻の届出前にその財産関係についてなす契約であり、夫婦財産契約を定めた場合には法定財産制の適用はない(755条反対解釈)。日本で夫婦財産契約が締結される例は極めて少ないのが実情である。

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